普段は夢なんて見ないのに、この時だけ私は夢を見た。



『見えないモノ』



 ただ暗い闇のなかに私だけが立っている。別に恐怖などは覚えなかった。
 私には恐怖などというものなどなかったのだ。ただ、ここにいると落ちつかなかった。まるで誰が私を覗き見ている気がしたのだ。
「私の声が聞こえるのだろう?」
 まただ。
 私にいつも声をかけてくるこの男の存在。何度その姿を見ようと思っても闇が深くて、見ることなどできなかった。でも男のほうが私が見えているのか何度もしつこく声をかけてくる。
「私を呼ぶな」
「何故だ? 私の姿が見えないのが気にいらないか? そう考えるのはお前の勘違いだ。お前が私を見ようとしない。自分から見るのをやめている」
「何だと……?」
 私は腹がたった。私が自ら見ようとしないだと?
一体、どういうつもりだ!
「何故、見ようとしない? 何故……」
 男は呟く。この男は私に何かを求めているというのだろうか?
「何が目的で私に声をかける? 何を期待している?」
「期待か……。そうだな私はお前に期待している。そして私自身にも」
「はっきり答えろ」
「それはできない、私の口から真実を語ることはできない。自分の目で真実を見極めろ。一体、自分が本当にそれで正しいのか」
 まるで内を見透かされているようだった。もしかしたらこの男は私の疑問の答えを知っているのかもしれない。
 いや知っているんだ!
「私を知ってるのだな! 答えてくれ、私は何だ!?」
 男は困惑しているようで少し間をおいた後
「駄目だ、答えられない。自分で見つけ出せ。そして見つけ出したときにすべてがわかる。お前の正体も、そして私が誰であるかも」
 夢はここで途切れた。


 少し前まで共に戦っていた者が死に、また生まれ変わった。
 その姿は前の姿を微塵と思わせず、記憶も消されていた。
 過去はいらない、未来があればいい。
 あの人は私にそう言った。いつものあの口調で。
 私の中には欠落した何がある。でもその落とした部分が全然わからないのだ。
 それがとても大事な部分だという気がする。ただそう思うだけなのだが……。
「どうした。ナイトスクリーム?」
「いえ、何もありません」
「そうか……いいかお前は」
 私は遮るように
「貴方を裏切ったりなどいたしません。私は貴方の為の駒なのですから」
 忠誠を誓い、最後まで共にすると決めているのだ。


後書き
久しぶりに書いたような気がする…。てか短いのか!?暗いのか!?本人にもさっぱりだぞ(笑)
そしてかなりわかりにくい…。一体、誰が出てるんですかー!?状態です。一応、スパリンの
時期で人物は三人で。てかその内の二人なんて同一って考えるべきかも…。本当は同一も何も無かったけど個人的には同一であってほしいのだという思いを込めて…。

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